UAとGA4の違い
UA(ユニバーサルアナリティクス)からGA4(Google Analytics4)への移行を始めて、初めてGA4を使っていると、同じGoogle Analyticsなのに、メニューの位置や項目が違ったりと、慣れないことや分かりにくい部分が出てくるかと思います。
これまでUAを使って来た人ほど、GAとの違いに違和感が多いのではと思います。
ここでは、UAとGA4の違いをご説明します。
UAとGA4はどう違うか?
Google Analyticsのこれまでのバージョンアップは大きく4回バージョンアップしてきました。
最新バージョンのGA4は2020年10月に正式リリースされました。旧バージョンのユニバーサルアナリティクス(UA)は並行で利用できますが、UAは2023年7月1日に計測が停止(有償版は2024年7月1日)予定です。
2005年 GoogleがUrchinを買収して Google Analytics がスタート
2009年 非同期タグ(analytics.js)となり機能が追加
2012年 ユニバーサルアナリティクス
2017年 グローバルサイトタグ(gtag.js)
2020年 Google Analytics 4のリリース
ガラケーとスマホくらい違うもの
今回のGA4のバージョンアップがこれまでで一番大きく、ガラケーからスマホに変わった時くらいの違いがあるといえば、わかりやすいかもしれません。どちらも同じ電話ができる、アクセス分析できるという目的は同じですが、使い方が違って、最初は違和感がありました。
UAとGA4の主な違い
計測の基本単位が変更
これまでのUAは「ページビュー」を軸とした考え方で計測され、多くのレポートは「セッション単位」で分析していました。
新しくGA4では計測の基本単位は「イベント」(「ページビュー」を含んだユーザーの行動単位)となり、セッション単位ではなく「ユーザー単位」で分析できるレポートが増えました。「訪問」だけではなく、「ユーザーの行動」を重要視するという方針に変わりました。
「探索レポート」などの機能が充実
GA4では「探索」レポートという機能が追加されました。ディメンションを複数設定したり、セグメントの重複、イベント間の遷移などのより自由な表やグラフの作成などUAと比べて大きく変わっています。
これまでCSVで出力して、Excel上でピボットデーブルや関数を使って加工してレポートを作成していたものが、GA4上で作成できるようになりました。
実装方式が変更
UAでカスタムで取得していたデータ(カスタムディメンション・イベント・eコマース)などのカスタムデータはUAからGA4に自動で移行される事はありません。再実装あるいは再設定が必要です。UAとGA4の並行計測も可能です。
アプリ計測ができるように
WEBサイトの計測だけでなく、GA4では「アプリ」の計測もできるようになりました。
GA4のもとになったのは、アプリ用のFirebase Analyticsという分析サービスでした。Yapliなどの普及で自社アプリを導入するケースも増えてきますので、WEB版とアプリ版での相乗効果の計測にも期待できそうです。
BigQueryのエクスポートが利用可能に
BigQuery(Googleのクラウドサービス)とGA4を連携する事で、ユーザーのログを保存することができるようになりました。Google lucker studio(GoogleのBIツール)での分析やレポート作成や、Google広告やスプレッドシートなど他のデータソースとの接続も可能になります。
UAでは有償版GAで提供されていましたが、GA4では無償版でも利用可能となりました。データ形式はUAとGA4で異なり、データ項目やSQLの記述も異なります。
機械学習の活用が開始
UAの有償版でも一部ありましたが、GA4では無償版・有償版含め、Google側でデータを自動で分析、解釈する機能が強化されています。特異値の自動判定、購買意欲や離脱意欲が高いユーザー群の抽出を始めとしていくつかの機能が実装されています。
例えば、「オーディエンスの候補」で「7日以内に購入する可能性が高い既存顧客」などをAiが予測してくれます。※現状では、予測に過去28日間の間の7日間で1,000件以上の購入者が必要という条件があり、中小サイトで実際に身近に使えるようになるのはもう少し先になりそうです。
UAとGA4の主な違い EC特有の項目
UA | GA4 | |
---|---|---|
計測対象 | WEBサイト | WEBサイト + アプリ |
計測の基本単位 | 「ページ」単位 セッション重視 | 「イベント」単位 ユーザー重視 |
カスタムレポートの作成 | ◯ | ◯ 「探索レポート」に名称変更 |
セグメント | 全レポートに適用可能 | 「探索レポート」にのみ利用可能 (標準レポートでは不可) |
別セッションになるヒット間隔 | デフォルト 30分 (管理画面で1分〜4時間まで変更可能) | デフォルト 30分 (管理画面で5分〜7時間55分まで変更可能) |
日をまたいだ場合のセッション | 別セッションになる | 別セッションにならない |
注文件数 | トランザクション数 | トランザクション |
売上金額 | 収益 | 合計収益 |
ページビュー数 | ページビュー | 表示回数 |
購入率(転換率) | eコマースのコンバージョン率 | ≒ セッションのコンバージョン率 (※ 注文だけでなく設定したコンバージョン全て) |
★ GA4で初登場 | ー | エンゲージメント率 (①10秒以上の滞在、②2ページ以上の閲覧、③CVイベントの発生、のいずれかがあった割合) |
ユーザーの定義 | ブラウザの画面の裏側でも表示されたユーザー | 1秒以上画面が“前面”に表示されていたユーザー数 |
UAとGA4のメニューの違い
GA4では、レポートの画面が「標準レポート」と「探索レポート」の2つに分かれています。
定型のデータをその時だけ見たい時に使うのが「標準レポート」、自分でカスタマイズして深く分析したい時に使うのが「探索レポート」とまずは捉えるとわかりやすいかと思います。
続いて、レフトナビのメニュー構成の違いです。
似たようなメニューになっていますが、名称などば微妙に変更になっています。対応する項目は上記のようになっています。
「コンバージョン」の項目が別画面に移動したり、「ランディングページ」メニューが後から追加されたりと、まだまだ機能追加修正中のGA4ですので、今後も変更の可能性があります。
まとめ
UA(ユニバーサルアナリティクス)に慣れていた人ほど、GA4(Google Analytics4)との違いを感じやすいかと思います。便利になった部分もあれば、中にはUAのほうがよかったのにという部分もまだあります。じょじょにGA4に慣れていくとともに、今後もGA4がどんどんと機能追加が行われ、バージョンアップすることで、より分析しやすいツールになることが期待できます。本サイトでも随時更新予定ですので、ぜひチェックしていただければと思います。
投稿者プロフィール
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ECサイトのデジタルマーケティングとDX推進を支援するコンサルティング会社で、WEB・ECサイトのコンサルティング、運用支援を行っています。
讃岐うどんとECが大好きな二児の父。好きな曜日は金曜日。
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